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今月のゲストコラム:<2008.03>

『ヘッジファンド投資を考える1 〜ヘッジファンドとは何か〜』  井上光章(井上光章FPオフィス代表)

◆インデックスファンドとアクティブ運用ファンドは市場全体の動向に左右される個人が投資できるファンドは大きく3種類に分けられると私は考えています。「インデックスファンド」「アクティブ運用ファンド」「ヘッジファンド」の3つです。
インデックスファンドの“インデックス”とは、例えば日経平均やダウ平均、香港ハンセン指数など、それぞれの市場全体の株価の値動きを示す“指数”のことです。インデックスファンドはそうした指数の算出式に合わせて構成銘柄と投資割合を決め、対象となるインデックスと同じような値動きをするように設計されたファンドのことです。指数を構成する銘柄をその算出式どおりに組み入れるだけなので、積極的な運用をしないことから「パッシブ運用ファンド」などと言われることもあります。指数が上がっている時、すなわち市場全体が上がっている時はこのインデックスファンドも値上りをし、指数が下がればファンドも値下がりするということになります。
インデックスファンドがパッシブ運用なのに対し、アクティブ運用ファンドは市場平均(インデックス)を上回るパフォーマンスを目指してアクティブに運用していくもの。投資のプロが様々な情報を集め、色々な分析をして、お買い得銘柄を見つけて買っていきます。皆さんが普段目にする投資信託もアクティブ運用のものが多いはずです。ここでのキーワードは“目指しているのは市場平均を上回ることだ”ということです。このキーワードが何を意味するかわかりますか?例えば市場全体が“5%”の上昇をしている時に、“8%”だったり“10%”だったり、“20%”の上昇があればそのファンドは優れているということになります。市場全体が“5%”上昇しているのに“3%”とか“4%”の上昇しかしない場合、そのファンドは市場平均に負けてしまっていることになりダメなファンドだと評価できます。逆に市場全体が“10%”下落しているときはどうでしょうか?ファンドが“5%”の下落なら、それは指数の“10%”という下落に比べればまだマシということになり、そのファンドは優れていると評価されてしまうのです。運用成績がマイナスなのに「優れている」と評価されるのはちょっとおかしいですよね。アクティブ運用ファンドも結局は市場平均と比べてどうなのかを評価の基準にしますから、市場全体がダメなときは運用成績もダメとなってくるわけです。
筆者はインデックスファンドとアクティブ運用ファンドとではインデックスファンドへの投資の方が合理的だと考えています。
その根拠などはこちらで解説しています。

◆絶対収益を目指すのがヘッジファンド
一方でヘッジファンドは市場がどう動こうとも利益を上げること(絶対収益)を目指します。ヘッジファンドの特徴として「絶対収益を目指す」ということの他に「“買い”から入るだけでなく“売り”から入ることもできる」「“レバレッジ”をかけることもある」「運用者がファンドのパフォーマンスに応じて成功報酬を得るものが多い」などの特徴があります。
ヘッジファンドの運用手法には様々なスタイルがあります。例えば…

・ファンダメンタルズやテクニカル要因を分析し、これからこの市場は上に向かう、この市場は下に向かうという判断をして、その方向にポジションを取るやり方。
・割安だと思う企業の株を買い、それと同時に割高だと思う株を空売りするやり方。
・値動きに関連性のある2つの銘柄(ある株式と転換社債など)の価格に歪みが生じたとき、その歪みの解消を狙って片方を売り、もう一方を買うやり方(「歪み」は率にするとほんの小さなものでも、レバレッジをかけて取引をすることで元々の投資元本から見た収益率は大きくすることができます)。

などです。ヘッジファンドというと「怖い」とか「うさん臭い」とかあまりいいイメージを持っていない方もいるようです。しかし前述の通り、運用スタイルは“理にかなった”合理的なもの。ファンドによっては運用手法や運用プログラムを複数設定してリスク分散を図るものがあったり、ファンド・オブ・ファンズの形を取って様々なヘッジファンドに少しずつ投資をすることでリスク分散を図るものがあったりと、リスク軽減のための工夫をこらしているものも多いようです。
ヘッジファンドの値動きと伝統的な運用手法(株式投資や債券投資)の値動きとの相関性は低くなります。うまく組み入れればポートフォリオ全体のリスクを下げ、リターンを上げる効果が期待できます。もちろん短所もあります(次回解説予定)し、全てのファンドが優れているわけでもありませんので投資には注意が必要ですが、資産運用の選択肢として頭に入れておいてもよいのではないかと思います。
次回「ヘッジファンド投資を考える2」では「ヘッジファンドに投資するにはどうすればいいのか」「投資における注意点」などについて触れる予定です。

井上光章(井上光章FPオフィス代表)
AFP・2級FP技能士

ファイナンシャルプランナーになる前から一人の投資家・投機家として様々な資産運用を実践。
その成功や失敗を皆様の資産運用に活かし“資産運用相談に強い”ファイナンシャルプランナーとして活動中。 http://www.inouefp.jp/

 

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