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前回のコラムで一時払い外貨建て個人年金への投資は外国債と運用利回りや破綻リスクなどを比較して考えることが重要だということに触れました。今回は主に相続の場面での個人年金のメリットを3点解説したいと思います。外貨建てに限らず一時払い個人年金全般の解説となりますが参考になりましたら幸いです。以下ではいずれも契約者、被保険者、年金受取人を本人、死亡給付金受取人を遺族にするというケースを考えます。
■500万円×法定相続人数の非課税枠を使うことができる
まず最初に死亡給付金の非課税枠を使って相続税評価額を削減できるというメリットがあります。相続税の計算において生命保険の死亡保険金、個人年金保険の死亡給付金はみなし相続財産として相続税の対象となりますが、ここからは「500万円×法定相続人数」の分を控除することができるというものです。生命保険は健康状態によっては加入できない場合も多くあるのに対し、個人年金の場合は健康状態を問いません。生命保険には加入してこなかったが相続税対策をしたい、でも今からでは保険に入れない。そんな方には個人年金は有力な武器になるかもしれません。
■死亡給付金の年金受取で相続税評価額を減らせることができる
次に死亡給付金を年金受取にすればさらに相続税評価額を削減できるというメリットがあります。本人が据置期間中(運用期間中)に死亡した場合、遺族が死亡給付金を受け取ることになりますが、死亡給付金は一時金で受け取ることもできますし、年金で受け取ることもできます。ここで年金受け取りを選択しておきます。そうすると以下のように相続税評価額が圧縮されますのでこれを使うことができます。例えば確定年金で受け取る場合、年金受取総額に下記の割合をかけたものが相続税評価額となります。
残存期間 評価の割合
5年以下 70%
5年超〜10年以下 60%
10年超〜15年以下 50%
15年超〜25年以下 40%
25年超〜35年以下 30%
35年超 20%
据置期間10年の外貨建て個人年金に一時払いで8,000万円を払い、8年後1億円になったところで相続が発生したとしましょう。死亡保険金を一括で受け取る場合は1億円が相続税評価額となりますが、例えば20年の確定年金で受け取る場合は1億×40%=4000万円という評価額になります。最初の8,000万円を投資せずに現金そのままでもっておく場合や、運用で増えた1億円そのままを評価額とする場合より相続税評価額を圧縮できることになります。
※据置期間(運用期間)が終わり、本人が年金受取を開始した後に相続が発生した場合は残りの年金総額と残存期間で評価することになります。
■相続税?“そんなの関係ねぇ”という場合でも「死亡受取人を指定できる」は使えることも
もともと相続税には「5000万円+1000万円×法定相続人数」という控除がありますので、上記のような節税メリットを享受できるのはごく一部の方に限られてしまうでしょう。ただし相続税対策とは無縁な方でも「死亡保険金受取の指定ができる」という点は活用の余地があると思います。死亡給付金は遺産分割協議の対象外になり、指定された受取人に支払われますので、遺言を書かなくても希望する人に財産を残すことができます。「次女は未婚なので心配」とか「三男には特に世話になった」などの理由で、誰かに多くの財産を分けてあげたいという場合、彼らを死亡給付金の受取人に指定しておくことは有効な手段の1つです。遺産分割の対象外のため現金化もスムーズで、葬儀費用など急ぎの支払いに活用することも可能です。
外貨建て一時払い個人年金への投資を考えている方は、前回説明したような運用利回りで外国債より劣るデメリット、破綻による給付の削減の可能性というデメリットと、上記で説明したような相続時におけるメリットとを天秤にかけた上での判断が必要だといえるでしょう。
※なお本コラムは2007年12月時点の税制を基に執筆したものです。今後の税制の変更によってはそのメリットを享受できない可能性があることはあらかじめご了承ください。 |