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今月のゲストコラム:<2007.12>

『一時払い外貨建て個人年金保険の損得』  井上光章(井上光章FPオフィス代表)

■一時払い外貨建て個人年金保険は、国債と利回りを比較した上で判断
「一時払い外貨建て個人年金保険」は保険会社が発売している資産運用の商品です。10年なら10年という決まった期間、国内の預金等と比べて高い利回りで運用できるのが特徴です。「外貨建て」ですので当然為替変動リスクもありますし、途中解約の場合のコストが大きくなる場合もあるなどのデメリットもありますが、10年間の据え置き期間でドル建てなら4%(10年間の確定利回り)を超える利回りがあるものが多く(2007/11月時点)資産運用目的で利用される方は多いようです。
利回り4%以上となると国内の他の金融商品に比べれば確かに高く魅力的に思えます。でもドル建てであれば、同じような期間、同じような利回りが期待できるものとして米国債があります。こちらも利回りは4%(2007年11月時点、10年債の例)を超えています。資産運用目的で「外貨建て年金保険」を検討されている方は、外国の「国債」と利回りを比較しどちらがよりお得かを見る必要があります。

■利回りの比較をすると・・・
以下の条件で比較をしてみました。
A:保険会社A社の一時払い外貨建て個人年金保険を据え置き期間10年で2007/11/22に購入したと仮定
B:証券会社B社で2018/11/15が満期のゼロクーポン債を購入し10年後の2017/11/22に途中売却したと仮定
それぞれのWEBサイトに表示されている利率、利回りを見てみると
A:予定利率 4.70%
B:販売利回り4.316%
となっています。これだけ見るとA「一時払い外貨建て個人年金保険」の方が有利に思えますがどうでしょうか?

■様々な費用を加味して比較すると・・・
実際にはAの場合は契約時費用(6%:据置き期間によって異なってきます)というものを加味する必要があります。これは保険会社の利益や経費にあたる部分と考えていいでしょう。契約時費用が6%だとすると100万円の投資の場合最初に6万円が引かれて94万円を元手に4.7%の運用が開始するということになります。なお、94万円を4.7%で10年間運用した結果の利回りを大元の100万円を元に計算しなおしたものは実質利率という名前でWEBサイトには表示されていました。Aの場合は4.05%でした。
Bについては外国証券口座管理料を10年間払うことを考慮する必要があります(B社では1年で3,150円、3年分をまとめて払うと7,560円ということなので7,560×3+3,150=25,830円を売却時にまとめて差し引くと仮定しました)。
さらに為替手数料に関しても考える必要があります。私が調べた上記A社の場合購入時は0円、解約時に1円。一方B社は購入時50銭、売却時50銭でした。
これらを加味してそれぞれに100万円を投資し10年間運用し、為替の中値が現在と償還時それぞれ109円で変わらないとすると・・
A:1,474,321円
B:1,486,076円
となり、若干ですが米国債を購入した方が利回りはいいというシミュレーション結果になりました。

保険会社や商品などによって利回りには違いが出てきますので、一概にいつも「一時払い外貨建て個人年金保険」の方が不利とは言えませんが、投資を検討されている方はまずは証券会社で購入できる「国債」と比較してみることをお勧めいたします。
次回は「利回り」以外の面で両者のメリット、デメリットを見たいと思います。

井上光章(井上光章FPオフィス代表)
AFP・2級FP技能士

ファイナンシャルプランナーになる前から一人の投資家・投機家として様々な資産運用を実践。
その成功や失敗を皆様の資産運用に活かし“資産運用相談に強い”ファイナンシャルプランナーとして活動中。 http://www.inouefp.jp/

 

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