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今月のゲストコラム:<2006.09>

岸 本 智 (社会保険労務士)

『年金の【もらい忘れ】って、何?』

年金相談にこられたお客様から、『年金を【もらい忘れる】ことがあると聞いたことがあるのだけれども、本当にそんなことってあるのですか?』と言う質問をよく頂くことがあります。私は、『確かに年金を【もらい忘れ】て損をしてしまっている方は、いっぱいいらっしゃいます。ある調査で、すでに年金を受給している人の20人に1人は、何らかの理由で本来もらえるはずの年金をもらえずに損をしてしまっていると言う結果が出ているんです。』とお答えしています。

■なんで【もらい忘れ】があるの?
平成9年までは、現在の1人に1つ割当てられる基礎年金番号の制度がなかったため、転職した際にいままでとは違う年金番号(手帳)が振り出されてしまい、同じ人に複数の年金番号(手帳)が付与されるようなことがありました。そのため、過去の勤務期間の記録の一部が何らかの理由で現在の基礎年金番号にきちんと引き継がれず、年金を請求する際にもそのことに気付かなかったがために、本来もらえるはずの年金を【もらい忘れ】てしまい、分からないうちに損をしてしまっていることがあるのです。また、「会社勤めは1年くらいしかしていないので、どうせ厚生年金はもらえないだろう・・・」といった自己流の判断をしてしまい、請求をしていないがために【もらい忘れ】となってしまっているようなケ−スも多く見受けられます。
主婦の方の結婚前の勤務期間や1年未満の短い勤務期間(パート勤務でも厚生年金に加入している場合もあります。)、転職回数の多い方、自営業の方で以前に会社勤めをしていた期間などにこの【もらい忘れ】が多く見られます。
■どうすれば【もらい忘れ】が分かるの?
自分の過去の会社勤務の記憶と社会保険庁のコンピュ−タ−に登録されている過去の勤務期間の記録とをもう一度つき合わせて、社会保険庁の記録が本当に正しいか確認する必要があります。
具体的には、今持っている年金手帳を持参して最寄の社会保険事務所に出向き、今までの勤務記録の一覧(『制度共通被保険者記録照会回答票』)を出力してもらえば、確認することができます。
■記録が登録されていない勤務期間(【もらい忘れ】期間)がある場合はどうするの?
当時勤務していた事業所(倒産や閉鎖されていても大丈夫です。)の所轄社会保険事務所が当時の勤務記録を管理しているので、「被保険者期間調査依頼書」を事業所の所轄社会保険事務所に送付し、勤務記録があることを証明してもらいます。「被保険者期間調査確認回答書」にて回答が戻って来るので、回答書と年金手帳・年金証書・認印を最寄りの社会保険事務所に持参し、新たに見つかった勤務記録を現在の基礎年金番号に引き継ぐための手続きをおこないます。
■【もらい忘れ】期間を見つけた場合に、年金額はいくら増えるの?
1年間の【もらい忘れ】期間が見つかると、年金額が年額で約5万円増額されます。さらに、年金受給権の時効は5年間となっており、過去5年間分を遡って一時金として受給できますので、5万円×5年間=25万円 が次回年金支給日に通常の年金に上乗せして支給されるのです。例えば専業主婦の方で、結婚前の3年間のOL時代の【もらい忘れ】期間を新たに見つけだした場合には、年額15万円の年金増額+過去5年分の一時金75万円がもらえるようになるのです。


岸 本  智 【社会保険労務士】
きしもと労務年金オフィス 〒239−0844 神奈川県横須賀市岩戸4−29−13
TEL046(848)3209 FAX046(848)3396
1970年 横浜生まれ 神奈川大学卒業後、岡村製作所(オフィス家具メ−カ−)の生産部門で生産管理業務(現場改善・工程管理・原価管理・資材調達・新商品開発等)に11年間従事し、2004年開業登録。
前職での経験を生かし、二次産業(製造業・建設業等)系の顧客を中心に、『簡単で分かりやすく、現実的な解決方法の提供

を!』をモット−に、工程管理・現場改善・資材調達・IE・VE・労務管理・リスク対策等の様々な切り口から事業主様が抱えている悩みを解決し、中小企業の付加価値向上・収益力向上のためのアドバイスをおこなっている。また、金融機関での年金相談では日本一の実績を誇る服部年金企画の認定「年金コンサルタント」として、複雑な制度を分かり易く解説する年金アドバイスを多数実施。

 

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